前回の制作では、細いケヤキを5本使いました。細い木ばかり使っていると、太い木が残って5本まとまりました。そこで今度は、太い木(直径が50cm以上の木)ばかりを使って、形にテーマをもたせて、制作しようと思います。
前回のような小さな形の単位を繰り返すのは、木の大きさを生かし切れないのではな いか。(木の形を生かそうとすると、どうしても別のイメージを重ね合わせて形をつくってしまう。それが悪いというわけではないけれど。)そこで今回は、形の統一感だけを意識し 後は木それぞれの形に合わせて制作する。それほど5本の木は、それぞれがすごく違ったものだったのです。
このサワラは、サワラとしてはすごく太い木です。根元で直径80cmほどありました。
私の記憶が正しければ、このサワラは神奈川県川崎市柿生の農家の裏庭にあったサワラです。里の木だからこんなにも太く成長したのだと思います。サワラの木は、檜と杉の中間の質感だと思いますがいかがでしょう。檜ほど硬くなく杉の木ほど柔らかくない。
脂っこさもちょうど中間です。
この部分は、根元の近くで 一カ所が縦に大きく割れていて その割れ目へ木の表皮 が巻き込むように木の中へ入り込んでいます。そしてその部分が大きなウロ(空洞)になっています。そのウロを形の中に取り込んだ作品です。
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