2004年10月23日 台風23号その名称は「トカゲ」。この台風によって半田小学校校庭北側の榎の一本が倒れた。約200年の年輪を持つこの榎を なんとか小学校のモニュメントとして残したいという久保校長先生の願いと 雑木として処分される木に形を与えるという私のコンセプトが合致し 半田小学校のエノキの制作が始まった。
さて 半田小学校は明治24年に開校した。樹齢約200年のこのエノキには 当然その年の年輪が含まれている。ここ数年木の中の芯を掘り出す制作を続けてきた私ですが、今回の制作では 2004年の外側を残しながら その中に 明治24年の年輪に沿って 小学校開校当時の木の姿を掘り出しました。中に向かって掘るための穴は (株)ミヤナガに提供していただいた木ポジットドリルを使用して開けた正円の穴。この正円は 小学校の東を流れる揖保川の水を表します。そして表皮に着色した黄色は 播磨平野にふりそそく太陽です。水と光と大地によって育まれた時間と歴史が エノキの中の空間となって現れています。木の中の芯には1匹のトカゲが掘ってあります。これはこのエノキを倒したのが台風23号であることを表したものです。
|