制作コンセプトが 「年輪プレイ」なのですから 年輪を辿るに当たって 木の形がどうのこうの、彫りやすさが どうのこうのと言う筋合いのものでは無いのですが そこは 人間です。どうしても そういう気持ちがわきおこってくるのは 致し方ありません。なぜ そんな前置きをするのかというと この木片が なんとも奇妙で 何となく取っ掛かりにくくて いつも 脇に寄せられていた木片だったからです。
その木片は 頭を留められた幹の先端の周辺から 単軸状分岐した枝の先端が 二叉分岐したもの。頭を留められた幹は 既に朽ちている。その朽ちた幹の木口年輪を数えると 約31年。その31年の内訳は 頭を留められるまでが19年、頭を留められてから12年というところでしょうか。
枝の先端から 適当な年輪で芯を掘り出していく。すると 二叉分岐と思っていた2本の枝は 元枝の頭が打たれたことで発生した単軸状分岐の枝だったことが判明。このように 木の年輪を辿るごとに次々と事件に遭遇すると 完全に制作は 木のペース。私のイメージがどんどんと崩されようとも それはそれでえ〜だということになります。
|