1本目の根を 30年目の年輪から 更に40年目の年輪へと彫っていくと 表層の姿とは違う様々な表情が 現れ始めた。
この根は 根元部分で右側の8本目の根から ほぼ40年前に発生したものらしい。そこで その1本目の根の芯を37年目の年輪に沿って 先端へ辿っていく。途中の枝は 約30年に発生したらしく 37年の年輪とは繋がらない。
更に この根は 先端部分では 2本に分岐していたらしい。それが 40年かけて成長する間に 土の圧力で一本になり、太い根となって成長したようだ。
枝や幹と違い 根の中には 複数の細い根の痕跡が 含まれている。そしてその根と根の間には お互いの樹皮の巻き込みがあり その樹皮の間に小石や土を含んでいる。そういう部分に うっかりノミを打ち込むと 直ぐに刃こぼれしてしまう。 |