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2010/03/25

着色

 不透明色で着色してしまう前は 作品の表面には 樹種や枝齢など 木の経歴があった。塗ってしまうとそこは 形と空間だけになる。しかし その状態こそが 木ではないのか。木から見た木。木にとっては 他の木も 他者としての存在だけなのではないのか。人間が区別するために用意した全ての言葉は 存在しない。木は 現実にただ適応し 生きるだけ。
  木が反応している紫外線という意味で 青から紫の色を使う。色の特性である膨張や収縮を 自分の作った作品の形やイメージと組み合わせていく。
 ケヤキ090828の板の作品に黄色を塗っていて 手が止まった。 これは違う。何が違うの? 他は違わなくて なぜこれが違うのか? 今、自分はそれを解決して 塗っているのではないのか? 板だから。木そのものだから、これは木の表情が強いから。しかし 今 それを乗り越えて 塗ろうとしている。そのつもりだったのだが・・・。
 次に制作する根っこを塗るとしたら 何色でぬるのか。黒、プルジャン、アンバー? そんな未来のことまで 考えてしまう。
 この着色作業は ケヤキの青でスタートして作品に色を塗りながら 4色で18個のピースを組み立てていくパズルのようだ。形と色と大きさのパズル。心の中にピッタリと収まるまで続く着色のパズル。
 ケヤキのパープルは バイオレットに塗り直してもいいのかも。

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