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2008/07/02

枝打ち

 前回枝打ちした桧の近くに 大きなモミの木が一本ある。そのモミの木は 私の持っている命綱では回りきらない程の太さで 新たに3mの命綱を用意した。この日は最初にその3mの命綱を使ってモミの木に登り その枝打ちをする。その後、コナラの神懸かり的な枝打ちが待っていようとは。
 太いモミの木の近くにコナラが1本立っている。それは外に大きく枝を伸ばし 特に一番下の枝は その下に大人が立つと頭に触れそうなほど葉を付けている。施主は広葉樹を好んでいらっしゃるので コナラの枝打ちはしなくても良いようなものだか さすがにその1本だけは 枝打ちしておいた方が良さそうだ。さて その枝の下にはフェンスがあって そのまま枝を落とすことが出来ない。その枝の90度谷側の上からロープでその枝を吊って その枝を伐採し 枝をフェンスの上で90度谷側に回転させ地面に下ろす。落とす枝は1本なので 難しい結び方は必要ないが 先日見つけた引き解け結びをぜひ使ってみようと思った。ロープは9mmのビニロンロープ。まず竹の棒を使って その枝のなるべく先の方の股にロープを通して結ぼうとした。しかしロープの摩擦が大きくて ロープをその股に完全に締め付けることが出来なかった。少したるんでいるが ロープの遊びを多めに採っておいたから大丈夫かな?なんて 今思うと全くバカなのであるが その時はそれで 枝の根元を切り始めた。チェンソーの回転を上げると 枝が徐々に下がっていき ロープに過重が掛かる。更にチェーンソーで枝を完全に切り離すと 枝は見事に90度谷側に回転しながらぶら下がった。次にロープの一方を引っ張って 結び目を解こうと思った瞬間、結び目がスルッと緩んで 枝がズトンと下に落ちた。なんというタイミング。何という偶然。何という幸運。解けるのが もう少し早ければ フェンスの上に落ちてフェンスを壊していたはずだ。こんなにうまく事が運んで良いのだろうか? まさに神業としかいいようがない状況。いい加減な引き解け結びを 神様が見事にフォローしてくれた状況。神様の存在を信じずには居られない状況。ありがとうございます。山の神様。
 その後 間伐した木が道に倒れかかって その片付けに手間取ったり、倒した枝が 隣の木にもたれ掛かって なかなか倒れなかったりしたけれど コナラの枝おろしのことを思うと 全く苛つくこともなかった。

 

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