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2008/01/09

W寮の桜

 太い方の枝は 幹の年輪に比べて成長幅が狭く 年輪が判別しにくい。その狭い年輪の中から 少しは幅の広い年輪の部分を辿りながら年輪を彫り込んでいくと この枝の年齢が見えてくる。この枝は20年または21年に伐採されたらしい。そしてその後この枝は成長することなくその太さのままこの幹にとどまり 幹の形成層が枝を包み込むように成長していく。
 さらにこの枝を下に彫り込んでいくと やはりその当時伐採されたであろう小さな枝の節目が二つ現れる。一つは黒く変色はしているものの木質はしっかりした枝。もうひとつは 枝部分の木質が白色腐朽菌によって完全にスポンジ状態に変質させられてしまった枝である。その枝の周囲を彫り込んで 丸太全体を16年目の年輪で彫り終える。
 その後 末口部分を上から約30cm 芯を出すために更に年輪をさかのぼっていく。先ずは15年目の年輪で彫り込む。

 

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