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2006/01/27

半田小学校のエノキ

 第二口が上になるようにエノキをほんの少し回転させて そこから108年目の年輪に沿って芯を掘り進んでいく。しかし108年目の年輪に近づくにつれて 木は黒ずんだ色に変わり 108年目に達する前に 鑿の先が芯の中の骸へ ボソッと突き抜けてしまう。つまり上に行くに従って108年目の年輪はすでに骸と化してしまっているのである。所々残っている108年目の年輪に沿って 掘り進んでいるのであるが もう少し上の方で108年目の年輪は 完全に消えてしまっているだろう。
  現実はそうなのである。しかし 骸と化した芯は 確かに真ん中の枝に沿って 切り取られた真ん中の枝の木口の直ぐ側までのびているのだ。それを108年より若いからといって取り除いてしまっては 木の内部がいかにも殺風景である。
  ここは一つ年輪詐称といわれようとも 芯の痕跡でもある骸の内壁を残しておこうかと考えています。
 ちなみにこのエノキの全長は約265cmである。制作と平行して設置方法についていろいろ考えているところです。
 

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