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2006/01/18

半田小学校のエノキ

 ここ数日 この仕事場がきな臭い。
「きな臭い」というのは 焦げ臭いという意味らしいが この仕事場は 酸っぱくて焦げ臭い。そしてストーブの中は 酸素とうまく結合していないような黒ずんだ炎。どうやら 煙突が詰まってきたらしい。煙突の一部を抜いて中を除いてみると 確かに煤と灰がかなり積もっている。
 そんなわけで 午前中は煙突の掃除をする。塩ビのパイプを煙突の水平部分に差し込んで 掃除機で吸い取っていく作戦。水平部分は約3m。90cmと180cmのパイプを順次継ぎ足していきながら 煙突の中の煤と灰を吸い取っていった。掃除の後 早速火を起こしてみた。オレンジから黄色の透明な炎。しかし、煙突の抜けが良すぎて 温かさがすぐ逃げていくような気もする。
 さて 午後からは半田小学校のエノキを掘る。第2口の上の枝の中を 上に向かって更に掘り進む。細く芯が残っていたが それも取り除いてしまった。以前にも書いたが この枝は付け根から真ん中当たりまで ヒダというか溝というか 細長い突起上の出っ張りが縦に走っていて、その中を無垢のままにしておいては重たいし 中をくり抜くにしては厚みがたりない。とにかくそのヒダの部分を 少しでも彫り込むために いろんな方向から鑿を入れていく。エノキを更に30° 回転させて その周辺を彫り込む。第2口の上の枝の内部がほぼ空洞になったことで 木全体の重心は 幹の方に移ってきた。
 ところで 先日注文した200匁だるま玄翁が届いたので 玄翁の柄をしつらえた。南京ガンナで柄を蛤型に削って 頭に据える。しかし柄の太さや形をそれで決めたわけではない。制作しながら何度となくカンナを掛けて太さを調整していく。握った時はそれでいいと思っても 実際に玄翁を振ってみると まだ手にしっくりとこない。削っては振り 振っては削り ちょうど良い形と太さを探していく。手になじむ形になったところで 更に数ミリ全体を細く削り牛革のグリップ用ベルトを巻いて仕上げる。
 

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