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2005/08/25

海のイス
半田小学校のエノキ

 海のイスは塗装2回目。薄く溶いたカシューを刷毛塗りした後、ウエスで表面に浮いた塗料を拭き取っていく。
 半田小学校のエノキは、昨日チェンソーで平らに切り落とした枝の末口と幹の元口に電動カンナを掛けて 更に平面を出す。その後、オービタルサンダで80番から順に100番120番180番と 番手を上げながら 木口を磨き上げる。面が荒れていると 春材と秋材の区別が はっきりせず、正確に年輪を数えられなくなるからだ。10年ごとにまち針を刺しながら 年輪を数えていく。細かいところは ルーペをのぞき込みながら 針で年輪を一つ一つ押さえて数える。最初の内は 年輪の区別がはっきりせず、2年まとめて数えてしまったり なにもない部分を年輪として数えてしまったり・・・。何度も数え直していく内に エノキの導管の特徴が掴めてくる。それとやはり 手を抜かず しっかりサンディングして平滑な面を作るのが ポイントだ。
 さて、年輪は 芯に近づくにつれ間隔は狭く密で 表皮に近いほど 広く粗い。それは 長い年月の内に 芯に近い方は 圧縮されるからかもしれない。
 ここで このエノキの年輪を数えて気付いたことをいくつか 書き付けておく。
 外から数えて11年目(1993年頃)は 枝も幹も年輪の間隔が狭い。道路の改修か何かで 根が痛んだのだろうか?。
 第2次世界大戦終結の60年前近辺は 年輪の幅が広く 木が良く育っている。終戦の頃を題材にしたテレビドラマなどで 炎天下の中 玉音放送を 汗をかきながら聴くという場面があるが、まさに天候が良く、木がすくすくと育つ環境だったことをこの年輪は物語っている。
 80年前の年輪は その前後10年から15年間、やたらに細かい年輪が続いている。その間隔コンマ5ミリあるかないか。枝を極端に切りつめたために 何年も幹が太らなかったのだろうか?。
 ところで 肝心のエノキの樹齢だが、幹の年輪は 195年+αだった。約200年前にこの木は 半田小学校のあの場所に根を下ろしたことになる。200年前といえは 文化1年 まさに江戸時代。まだ幕末動乱へ動き出す前の静かな時代だろうか。想像が想像を呼び 仕事の手を休め 空想にふける私。
 さてさて 表皮から数えて113本目の年輪をマジックでなぞった。一番下の画像 木口の中のグレーの部分が 小学校創立時の エノキの太さです。今の太さに比べたら 当然見劣りするが 小学校創立当時 すでにこんな太さで立っていたんだ。さて この太さの年輪が この幹の中にも あるのかどうか?。
 

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