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2005/05/18

海のイス
事故

 この日は 早朝から仕事を始めた。朝の7時を回って 一休み。朝からどんどん気温が上がり 初夏を思わせる暖かさ。昼間でには まだまだ時間がある。パイロット版もほぼ完成というところ。なんて気持ちのいい一日?だろう。
 事故は その午後起きた。昇降盤で 薄い板を縦挽きしている最中 左手親指先が刃に触れた。その瞬間 すべての仕事が止まってしまう。
 事故は 何故起こるのか?。気の緩み?。油断?。安全に対する知識の欠如?。経験の浅さ?。体調?。恐怖感や危機感の欠如?。運?。事故が起きた時 人はいろんな理由を並べて 反省する。しかし、事故原因の一番の理由は 刃物に手を近づけたことだ。
 しかし実際 事故は 突然訪れるわけではない。ちゃんと伏線がある。ドミノ5000個で かなりきわどい扱い方になっていた。手が刃に近づいている事に慣れてしまっていた。そこに昇降盤に対する私の無知さが加わった。危機感が完全に欠如していた。
 次の日 現場検証をした。キックバックした押し棒の検分。その時の再現。事故の状況が 明らかになるにつれ 身震いがした。思い出しただけで目がくらむ。昇降盤の前にもう一度立てるのだろうか?。そんな気さえしてくる。
  傷の痛みも和らいで これを書いている今 私はもっとも安全な方法で昇降盤を扱えるにちがいない。でも 傷の痛みが消えていくように 緊張感や危機感は 時間の経過と共に希薄になってくる。今はそのことが怖い。仕事の度に 傷跡をみて危機感を思い出さねば ただの怪我で終わってしまう。
 ひたすら 反省する私。
 

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