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2003/04/04

ケヤキ

 向こうから彫って こっちから彫って 向こうから彫って こっちから彫って それを繰り返している内に だんだんとその間の木の肉が少なくなっていき ポロッと鑿の先が 向こうへ抜ける。その瞬間、フッと緊張が和らぐ。緊張というと大げさだ。小さな期待。その期待がかなった喜び。ほんの小さな喜びが顔を出す。
  道路のトンネルや海の下を貫通するトンネルだったりすると、大祝賀パーティーで 工事関係者が互いに喜び合うことになるのだが これぐらいのトンネルでは 喜びは ほんの米粒ほどで 「よし。」と言葉にもならない言葉で 開通を確認する程度である。
 

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