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2003/03/11

東京鑿鍛冶紀行
長弘の鑿

 「20年30年前ならいざ知らず、今もまだ 東京に刃物を打つ鍛冶屋がいるはずがない。東京がいい道具の産地だったことは 本や資料で知っています。でもそれは過去のこと。」
 バイト先のKさんから 実際に今も作っていらっしゃる鍛冶屋のことを聞くまではそんな風に思っていた。鍛冶屋だけでなく鑿の柄やカンナ台の職人のことまで あれこれ詳しく聞くに及んで 私の探求心はむくむくと起きあがったのである。
 そもそも 東京に腕のいい鍛冶屋のいないはずがありません。今年が江戸開府400年だから言う訳じゃないけれど、東京は 江戸開府以来 武士や町人、職人ありとあらゆる人間でごった返した都市である。人がいれば、需要があり 需要があれば、競争があり、競争があれば、いい物が生まれるのです。
 東京の鍛冶屋が今もまだいらっしゃるのなら、絶滅する前に訪ねてみたい。そして、話を聞いておきたい。
私の東京鑿鍛冶紀行はこうして始まったのでした。
 今日訪ねたのは 台東区の田口挽き物製作所。ここは鑿の柄の製造と据え付けをやっていらっしゃる。あまりにも感動しすぎて 写真を撮らせていただくのを忘れた。続いて訪れたのが、江戸川区の田中刃物製作所。ここは長弘という名の大工鑿を作っていらっしゃる鍛冶屋。お二方とも80前のご高齢である。さて、どんな話が聞けたのか。まとまり次第ナリナリ探検隊に掲載します。お楽しみに。
 


熱い鉄を打つ田中製作所の自動ハンマー


小松川の土手から荒川を挟んで東京を臨む。

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