Grain of Wood

「目」

ギャラリー檜plus

2014年2月24日（月）〜3月1日（土）
11:30am~7:00pm (最終日5:00０pm)

　人が木でできた物を見たとき　それを木だと認識する理由は　そこに木目を見るからではないでしょうか。木目は　それが木である最大の証です。
　 そんな木の証明である木目ですが　時々　軟らかい春材の部分が消えてなくなり　木目だけが残った木に出会うことがあります。例えば　土の中の木片、虫に食われた木像、古い焼杉板の壁、あるいは墓石の後ろの卒塔婆など。それらは　もう物や偶像ではなく　木目という自然の造形に転生していて　その妙に驚かされます。
　 今回は　杉の材木の軟らかい春材の部分を風化させて　木目だけを表出し　木目の表情を作品に仕立てました。 おそらく、知ってはいるけれど　まだ見たことのない世界だと思います。
　 この展覧会で　自然の表情に　美と驚きを感じていただければ　それこそが我が意を得たりです。

2014年1月　作者記